2020年ソーシャルディスタンス期もSDGsを実現した高校生の「成長する力」3/5
オンライン配信
――自粛期間で会えない中、皆とは LINE 電話でいつもやりとりしていました。でも顔が見えず、電波や音声が不調な時もあり、使いづらく感じていました。だから顔がちゃんと見える「ZOOMしかない」と、皆で使い始めました。
ZOOMミーティングは時間を決めて、部活について話し合い、その後は雑談しました。一年生が入る前でしたので、二・三年生で「もっと深めていこう」としました。皆で会えない期間、ZOOMを活用できたことは大きかったと思います。
顔が見えることは一番、大きいと思います。表情がわからないと、なにを思っているかもわかりません。
梶原先生:生徒が ZOOM を使う前から、学校に小学生を招いて自由研究*の企画はしていました。それが来られなくなりましたので、ZOOM でオンライン配信をしました。
肉眼ではなかなか、近くまで寄れないところもあります。だからカメラで、近くの様子を見てもらえたのは、オンラインでよかったと思います。
見てもらいながらちゃんと発信もして。実際を見せつつのオンライン配信は、すごくよかった。
――活動の中心はこれまで大会でした。観光甲子園への出場は、2013年頃の観光ツアー以来。当時、グランプリを受賞して以来なので、久しぶりのエントリーです。だから今回は「やってみよう!」とチャレンジしました。
エントリーに際して、研究課題は「文化のみち」も考えましたが、日本遺産部門にしました。伝統工芸品には、ちょうどその前の年からよい繋がりがありました。日本遺産という限定的な捉え方で、名古屋というエリアを広げてみました。
――今回、有松を考えたことで「文化のみち」自分たちの足元も見つめ直す、きっかけになったと思います。いつもと違うところ「有松」を見て、深めて、もう一度ちゃんと自分たちの足元を見る。そこが面白いのでは。
――有松は訪れるたび、いろんな魅力があることに感動しました。文化のみちには私たち、それほどたくさんは行けていません。有松のほうがたくさん行っているのではと思います。
私たちは、文化のみちで部活動させていただいてきました。「文化のみち」地域の方、ぷらんぼんさんのおかげで、今まで部活動できています。そして、これからも活動していきたいと思っています。文化のみちがあるからこそ、今の私たちがある。今回、実感しました。
有松の魅力をたくさん発見した、その「発見する力」を文化のみちにスポットをあてて、掘り下げていきたいと思います。文化のみちは、いろいろな建物や歴史が残るエリアです。どのような歴史があって、どういうストーリーで歴史タウンになったのか、掘り下げていきたいと思います。
ツアーは前にして以来、最近は全然できていません。コロナウィルスの影響で、ツアーやイベントの開催などの販売活動もできなくなっています。今年は、対面型のイベントができなければオンライン、ZOOM なども活用していきたいと思います。
オンライン活動の可能性
――今年は「オンラインのよさ」に気づかされました。コロナウイルス以前も「オンラインを使ったらいいよね」という話は上がりました。でもなかなか「使ってみよう」とは、踏み込めませんでした。
対面活動ができない状況は、オンラインに踏み出すきっかけにはなりました。動画を作ると、いろいろなところに目がいきます。文化のみちも動画で、これまでとは違う視点や魅力を表せるのではと思います。
梶原先生:動画スキルは上がっていると思います。動画作りで面白いことができるのでは。
動画は今、生徒が自分たちでYouTube に上げられるようになっています。活動はこれまでもメディアに出たり、比較的、厳しくはありませんでしたが、自分たちで活動するには厳しいところはありました。それがコロナウィルスの影響で、どこの学校も活動がしやすくなっています。
――活動しやすくなった意味でも、広げていければと思っています。動画サービスにはいろいろな機能があって、Instagram でもライブ配信ができます。私たちはまだ使ったことがない機能、いろいろな可能性が動画にあります。
私たちがこれまで積み上げてきたもの、動画で活用していきたいと思っています。もちろん発展もさせていきたいです。これからも継続して、文化のみちの方と交流していき、私たちの思いもどんどん積み重ねて、後輩に繋げていければと思います。
有松は行ってみたら、黒壁のまちが続いていて「これだぞ」という印象を受けました。文化のみちはまた違い、女の子達にもウケそうな外観の建物があります。ターゲットも違い、私たちと同年代にもすごくよいのではと思います。
大会では YouTubeでライブ配信している高校もありました。私たちもそういう機能を使い、オンラインツアーなどいろいろ挑戦していきたいとすごく思いました。
――オンラインツアーが注目を浴びていることは最近、テレビでも見かけました。最近はインターネットで調べたら、やり方がすぐ出てきます。まだ使ったことがない Instagram のライブ配信も、高校生ならではの柔軟な活用をしていければと思います。
――観光甲子園では、有松について「土地の見せ方」を学んできました。観光甲子園で学んできたことを活かしていければと思います。
有松は魅力が一箇所に集まっていて、外観を楽しむところがあります。文化のみちは一つ一つ場所は離れていて、それぞれ内観を見られるのが、有松と違うところです。洋館や昔の和洋を見られるので、そういう長所も活かしながら、動画作りも挑戦していきたいと思います。
――今は旅行に行けない人が、旅行しているかのような動画を結構、見ています。私の周りにも「行けないから動画を見ている」旅行好きな人が結構います。そういう目線で撮っても面白いのではと思います。
――今はいろいろなカメラの機材、360度カメラやドローンなど、いろいろあります。ミツバチの目線で撮るのもよいのでは。
文化のみちの方でも、ミツバチを怖がったり、知らなかったりする方は多いと思います。文化のみちのよさとミツバチのよさを同時に伝えることができれば。「ミツバチはこんなに遠くまで飛べるんだ!」と、見せて楽しんでもらえたら、すごく面白そうです。
私たちが養蜂活動をできているのは、地域で花を育てている方のおかげです。蜜がとれる、地域がよい環境だからこそ、私たちの活動ができているというのは、すごく大きいです。
文化のみちで活動させていただいて、ぷらんぼんさんをはじめ、一緒に活動していただいている地域の方と直接、会う繋がりはこれまでも深めてきました。
養蜂活動に着目して、文化のみちならではの養蜂活動を地域で広げていければ、これからも一緒に活動していく上でよいのではと思っています。一年生がたくさん入部して、より部がにぎやかになりましたので、ぜひともできたら。