2023年5月は『文化のみちイラストマップ』エリアに隣接する「北区の史跡散策コース」を参考に散歩しました。
めあては岡本太郎の梵鐘。今回は、はじめてご一緒する方もいらっしゃいました😊
午前は昨年1月に散歩した、尼ケ坂駅の南を散歩。のち駅を越して北へ、大杉、清水、黒川を歩きました。
午後は志賀町を歩いて黒川に戻り、喫茶店で涼みながら『名古屋の伝説』『尾張の民話』を読みました。
用意した資料
地図
Googleマップに、散歩エリアを記した紙1枚。❶を歩いて❷も行ければ、❸は参考として。
本類
『尾張の民話』『名古屋の伝説』『民家』を持参。『民家』に懸魚(げぎょ)の図がいくつかあり、行く先々で「どの懸魚だ?」と、みんなであてっこしました。
『杜若』はこの時季の花、『清須越マップ』は「文化のみち」ちなみ。
『北区 歴史と文化探索トリップ』と写真外の『尾張名陽圖會』は持参せず、後で見ることにしました。
散歩コース
※地図は歴史的行政区域データセットβ版を基に作成しました。
尼ケ坂駅の南
初めてご一緒する方が「行ったことない」ので訪ねました。「文化のみち散歩」では、昨年1月以来。当時のブログはこちら ⇒ 文化のみち散歩(1)尼ケ坂~主税町筋
➀尼ケ坂公園 ②地蔵院 ③長久寺 ④片山神社
④片山神社では、鳥居前の石柱の「式内」をみんなで探しあいました。式内は『尾張の民話』の「天狗のおはやし」で言及されていて、神社の中で最上位の格だそう。
「天狗のおはやし」については、境内の案内でも紹介されています。ただし、案内では神楽が先で天狗は後づけ。ここで少し民話を紹介しましょう。
むかし、この森の天狗は、おはやしが好きで、お神楽をしないと一日が終わらなかったそうな。このはなしが、江戸まで聞こえ、それを聞いた浅草のおはやし連中がやってきてな。泊まりこみで、天狗の神楽に合わせておはやしの練習を重ねてのう、ずい分うまくなって帰っていったそうな。それが神田明神のおはやしのもとだと言われとる。
-略-どういうわけか、蔵王の森の、北から西の方角にかけては聞こえるが、南から東の方角にかけては聞こえなかったそうな。
天狗については『名古屋の伝説』に「天狗とともに雲を飛んだ男」という話があります。こちらの天狗は「建中寺の大松」に住みついたそう。建中寺は、蔵王の森から南東にあたるので「南東におはやしが聞こえなかったのは、建中寺の天狗に遠慮して?」など談話。
「天狗とともに雲を飛んだ男」は、空を飛びたい男の願いを「三匹の天狗さん」がかなえてくれる話。御岳の頂上、加賀の白山、伊勢の多度と飛んでまわって「見慣れた車道の通り」に下ろしてくれます。
「昔話たのしいね」など談話しながら、男坂だろう急坂をくだって尼ケ坂駅へ。
尼ケ坂、坊ヶ坂の由来
『尾張名陽圖會』五巻の「片山神社」に「あまが坂」「ぼうが坂」の図説があります。この本は史実でない「だろう」「だったら」の内容もあるため、読み物としてとりあげますと‥。
下図の右ページ、赤い矢印が図の該当箇所。右上「あまが坂」右下「ぼうが坂」。神社を北に見て、西が「尼ヶ坂」東が「坊ヶ坂」になります。
左下に由来があり、坊は男の子、あまは女の子。字がかすれてよく見えませんが、狐や狸が男の子、女の子に化けて‥とあるような?そうであれば、同じ場所に集ってないのが作為的でおもしろさを感じます。
尼ケ坂公園の案内にある、権現小町(尼さん)とその子(坊や)の話は、出典がわかりません。ただ、こうした話は当地のひとけが多いことを意味するため、尼ケ坂界隈が集落だったことを推定できます。
志水と男色流行り
「ぼうが坂」の左に「志水」の記述が三つ、続けて「池」の記述があり、水が潤沢だったことを表しています。
志水の一つ「鉄漿附志水(かねつけのしみず)」は「鉄漿」が「てっしょう」すなわち「お歯黒」のため「お歯黒を付ける志水」になります。
お歯黒を付ける図説が、左ページの「蔵王の社 鉄漿附志水の古伝」。女性のようですが「美童」すなわち「美少年」。中世の社に美少年を‥云々。「衆道流行」は男色流行り。
神社と流行の組み合わせは、日本の文化、芸能の成り立ちに通じて興味深いところです。
尼ケ坂駅の北
尼ケ坂駅を越えて北へ。クレープマルヤさんで一休み😊
今回はじめてご一緒した方のお話によると「清水からこのあたりは、リノベーションで素敵な施設が増えている」そう。クレープマルヤさんはそのひとつ。朝9:30から開いているので、各人が食事系、甘未系と好みのクレープで満たされました。
お店で「近くのお寺さん」を勧められ、こころあたりのある一人が「あの楽しいお寺さんかも?」
楽しいお寺さんとは?
続きは後日、更新したらホームページでお知らせします。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
「文化のみち散歩」に興味ある方、一緒に歩いてみたい方はぜひお声がけください。